金曜日

■ピアノの神様が与えてくれた極意

こんにちは、就能美有です。


これまでノクターンop.9-2の話を進めてきました。


実はこの曲、私就能のピアノ人生で

大きな転機を迎えた記憶に刻まれた一曲です。


ピアノを始めてからこの曲をレッスンという形で

先生方に見て頂いたことが全くありませんでした。


「大学を卒業後、何とかもっとピアノを

弾けるようになりたい」


とウィーンに行き始めたある年の冬、

東京で大きなジョイント・コンサートがありました。


何としてでも成功させなければならない

重要任務となったコンサートでもありました


そのコンサートのためプログラムを引っ提げ、

ウィーンのベーゼンドルファーシュタットサロンの

スタジオで、ウィーン国立音大W先生の元で

レッスンが始まりました。


そんなある日、以下のような会話がありました。


W先生 「このコンサートプログラムの曲、
      あなたに似合わないわね!」

私    「まあ そう言われればそうなんですが・・・・・」

W先生 「全部変えましょ・・」

私    「え・・・・・・!?」

W先生 「なんか弾ける曲ないの・・・・??」


このような遣り取りの中で、

真っ白になってしまったプログラムの中に

加えた一曲がショパン・ノクターンop.9-2でした。


そして・・・


この変更によって、ノクターンop.9-2から

その後ピアノ人生を全く変える腕の使い方を

会得する事が出来たのです。


そうです。


わたしにとって腕の脱力は長年の課題

W先生のもとでノクターンをレッスンして頂いた時に

全てが解決したのです。


実は、腕の使い方について私は長年悩んでいました。


頭の中には理想とする音があるものの、

それに近づくための技術が追いつかない。


そんなもどかしさの中で、もがいていたときに

すべてを解決してくれた曲、

それがノクターンop.9-2でした。


今でもこの瞬間を忘れることはできません。


あの日、あの時、あのシチュエーション

すべてが揃ったタイミングだったから訪れたあの瞬間・・・


まさに人生はタイミングと出会い、

瓢箪からこま(笑)

何があるかわかりません。


このレッスン以来、

私はどんな曲でも必ず弾けるようになる

極意を手に入れたのです。


脱力が出来る瞬間は

決してバイエル、ハノン、ツェル二ーを

弾いている瞬間には訪れることはありません。


音楽的に高い水準の作品に取り組んでいる時に

訪れてくるものです。


その点、ノクターンop.9-2という曲は

やさしく、簡単に聞こえて親しみやすいのですが、

非常に奥が深い曲であり、音楽を志す者にとっては

神が啓示を与えてくれる名曲といえるでしょう。


私の音楽人生を一気に塗り替えてくれた

最高に思い入れのある曲の一つなのです。


なので私が主宰するピアノ塾では、特に男子には

この曲をマスターすることを推奨しています。


レッスンではロマンティックな弾き方を

マスターすることをモットーに指導しています。


なぜなら、この曲をマスターする過程で

私が長年の悩みだった腕の使い方を会得できたように

その人にとってのマスターキーを手に入れることが

できると信じているからです。


神の啓示を受け取ることができる奇跡の一曲と

言い換えてもいいでしょう。


もちろん、その人にとっての奇跡の一曲は

他にもたくさんあるでしょう。


しかしこの曲のパワーは言葉には表せないほど

絶大なものがあります。


すでにこの曲をマスターした男性の塾生の1人は、

あちこちでこの曲を弾きまくり、仲間や聴衆の心を

わしづかみにしています。


もはや、「悪用」、「乱用」している

と言った方が良いくらいこの曲の恩恵に与っている、

そんな気さえ致します。


もう1人の塾生は私がノクターンを勧めたときは

まったく乗り気ではありませんでした。


「昔からノクターンだけは、

弾く気にならないのですよ~~~」


と、弾けもしないのに、

かなり高飛車で意味不明な発言をしていました(笑)


しかしそんな彼も一度弾けるようになってからは

「一生の宝物を手に入れたかもしれない」

「ノクターンで30年は行けます」

と、やはり意味不明な感想を述べておりました(笑)


ノクターンを弾くプロセスにおいて、

きっと深い気付きを得られたのでしょう。


もしくは、彼にとって何か良いことがあった

のかもしれませんね。


就能美有


P.S

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